夏の台湾に来たら、是非味わってほしいものがあります。
果物茶です。果物茶ってフルーツティーとどう違うのか、と思われるかもしれない。この果物茶は、皆さんがイメージするフルーツティーとはちょっと違う。ここで紹介したいのは、台湾の街中の到るところに見られるお茶スタンドで売っている果物茶だ。しかもアイスティー。
台湾のお茶スタンドとは、普通の紅茶や緑茶、日本でも人気だったタピオカミルクティーは勿論だが、紅茶や緑茶や中国茶に、いろいろな果物や乳酸菌飲料をまぜたお茶を売っている店だ。道に面した店が多く、間口は一間ばかりで、道に面して飲み物を注文するカウンターがある。カウンターの奥には、沢山の携帯式ウォーターサーバーが並び、大きな冷蔵庫とミキサーが2つ以上おいてある。そして、そこで注文に応じた味のお茶を作ってくれる。30元から70元ぐらいで、大体500~700㎖の容れ物に入ったお茶が買える。初めてこの容れ物を見た人は大きさに驚いて、「とてもじゃないがこんなには飲めない」と思うかもしれない。が、台湾の太陽のもと、いつの間にか飲み干してしまう。台湾に行ったことのある方は「ああ、あれね!」と思われることだろう。
さて、その店で是非とも味わってほしいのが、果物茶だ。
果物茶は簡単にいうと、紅茶か緑茶に、果汁や果肉を混ぜたものに過ぎない。だが、お茶の渋みと果物の甘みと酸味が混じりあっていて、喉の渇きを癒すとともに、口の中をすっきりさせてくれるのだ。
特にお薦めが、グレープフルーツ緑茶(葡萄柚緑茶)。お茶とグレープフルーツの果汁を混ぜたものだが、グレープフルーツの酸味が爽やかで美味しい。特に、台湾のグレープフルーツの季節のこのお茶は、本当に爽やかな口当たりだ。個人的には砂糖を入れない無糖のものが好みなのだが、酸味が苦手なら、砂糖を標準の半分ぐらいの量を入れたお茶にしてもらうといいだろう。(その時は、「半糖」とご注文ください。)
それから、パッションフルーツ緑茶(百香果緑茶)、マンゴー緑茶(芒果緑茶)。パッションフルーツ茶は、パッションフルーツの酸味と果肉をパチンパチンと噛む食感が楽しいし、マンゴー緑茶は、緑茶の中にあるほんのりとした甘さを楽しむことが出来る。桃のお茶に似ている。
今年は、パイナップル緑茶(鳳梨緑茶)がとても美味しい。パイナップルの果肉を細かく砕いたものがお茶の中でくるくる回っていて、パイナップルの果肉を噛んだ時の甘さと歯ごたえがまたいい感じだ。
これ以外にも、お茶スタンドにはいろいろな果物茶があるので試してみてほしい。
もし、果物茶のメニューの前に「鮮」とか「鮮打」とあったら、是非「鮮」や「鮮打」の方をお薦めする。これは既成の果物ジュースではなく、フレッシュフルーツを絞った果汁や果肉を混ぜたお茶だという意味なので、フルーツの味わいが軽やかだ。
果物茶は、台湾での喉の渇きを、季節の果物と共に乗り越える楽しいお茶なのだ。